筆者は四国の出身ですが、東海地区の桜の名所は非常にクオリティが高いなと思います。
この記事では、これまで訪れたお花見スポットのうち、特におすすめなものを4つご紹介させていただきます。
下記のような方にとって参考になると思います。
・名古屋に引っ越してきたばかりで、お花見スポットがわからない方。
・東海地方のおすすめのお花見スポットが知りたい方。
・散策しながら静かにお花見がしたい方。
この記事を読むことで、今年行くべきお花見スポットがわかり、思い出に残るお花見ができると思います。
岩倉五条川~桜と川のコラボレーションが楽しめる~
見どころは?
一つ目は、愛知県岩倉市・五条川の桜です。
定番のソメイヨシノを中心として、五条川添いを1400本を桜並木が続き、花見客を出迎えます。五条川の両側から桜の木が美しく咲き誇る様が見どころです。
個人的に桜と水面の組み合わせが好きです。
満開の桜の枝が水面に映ってゆらめいている様が、非常に美しいと感じるからです。
散った桜が水面に落ちてピンク色の絨毯のように見える様も情緒的です。
五条川には短い間隔で橋がかかっていますが、桜の写真を撮るなら、橋の上からがおすすめです!
川と桜の枝がセットとなって撮影できるからです。歩きながらお気に入りの桜の枝を見つけて、それが写る橋を探してみましょう。
橋の上から、川に覆いかぶさる桜の写真をとってみよう!
当然、良い撮影スポットは人気で、人だかりができますので、渋滞しないように素早くシャッターを切るようにしてくださいね。
また、五条川では岩倉の初春の風物詩「のんぼり洗い」が見られる場合があります。
「のんぼり洗い」とは鯉のぼりについたノリを落とす作業のことで、400年もの歴史を持つのぼり屋さんによるものです。
伝統の手技を現代に伝えており、桜祭りの期間中、五条川で見ることができるのです。
画像に映っている桜の枝はピークを過ぎてしまっていますが、満開の桜と「のんぼり洗い」をうまく写真におさめることができたら、素晴らしい被写体となると思います。
桜と鯉のぼり。まさに春の訪れを象徴するような組み合わせですね。
しかし、近年は桜祭りが中止となっているので、「のんぼり洗い」は不開催のようです。出店もでていないので、以前のような賑わいを楽しむことはできません。
少人数で静かに五条川添いを歩き、桜を楽しむという形式のお花見になりますが、十分に桜を満喫することができると思います。
川添いなのでけっこうな距離をお花見しながら歩くことができます。
ウォーキングも兼ねたお花見になりますね。
例年の見頃は3月下旬~4月上旬頃となっています。桜の開花・満開情報を随時チェックしましょう。
2022年は4月1日頃に満開を迎えました。
お花見スポットへの行き方
現地には駐車場がないため、公共交通機関の利用が推奨されています。
もし、どうしても車で行きたい場合は、近くのコインパーキングに駐車することになります。
電車を使用する場合、名古屋からだと下記のようなルートとなります。
名鉄名古屋(犬山線急行・新鵜沼行き)→岩倉
20分くらいで岩倉駅に着きます。
岩倉駅からお花見スポットへの行き方は下記の地図を参考にしてみてください。徒歩5分程度で着きます。
車で行かれる場合は、下記の住所をナビに登録して行かれると良いです。
〒482-0005 愛知県岩倉市下本町真光寺162−16 真光寺橋
営業時間は?
川添いなのでもちろん24時間解放されていますし、入場料は無料です。
養老公園~あたり一面がピンク色!散策が楽しめる~
見どころは?
二つ目のおすすめは、養老公園の桜です。
実はここが筆者一押しのお花見スポットなのです。飛騨・美濃さくら33選にもえらばれています。
養老の滝から養老駅までの約2キロの間を、美しい桜が咲き乱れます。
その木の本数は約3000本といわれており、桜の種類はソメイヨシノやヒガンザクラ、ヤエザクラなどです。
見た感じだとやはりソメイヨシノが主体でした。
まさに満開の日に訪れますと、養老公園の駐車場に着いた時点で、すでに一面桜だらけ。
花吹雪がフロントガラスの向こう側で舞い上がり、車の中から歓声をあげます。
桜の美しさだと、駐車場近辺が最も美しいと思いました。
桜そのものを撮るのであれば、公園の中よりも駐車場付近のほうがおすすめです。
特に養老公園から、養老天命反転地や養老ランド方面に進んだあたりの道路の桜が絶景です。
公園の入り口から養老の滝までは美しい散策路になっていますので、散歩を楽しみながら桜を愛でることができます。
五条川の桜はあたりが住宅街だったのに対し、こちらは自然の中を散策できますので、空気がきれいで気分が良いです。
このように緑豊かな散策路に美しい桜が立ち並んでいますので、ただ佇んでいるだけで味のある写真が撮れますね。
公園内では、緑と桜のコントラストが楽しめますので、人物を入れて撮ると絵になりますよ。
公園入口から養老の滝までずっと川が続いているので、写真スポットとしては川原の桜が良いです。
わかりづらいですが、上記の写真も川辺なのです。
自然にあふれた風景の中に煙るピンク色の桜は、道路の脇に植えられた桜より趣がありますよね!
養老公園内の川原で、緑と桜のコラボ写真を撮ってみよう!
けっこう歩きますし、足場も悪い箇所があるので、ヒールのついていない靴をはいていくことをお勧めします。筆者は靴底が平らなシューズを履いていきましたが、スニーカーが望ましいでしょう。
滝まで散策するなら、ヒールのついた靴は非常に歩きづらいので注意!
散策路の行きつく先は、養老の滝です。
飛び散る滝しぶきのマイナスイオンを浴びて、癒しのひとときを過ごします。
滝の近くにはお地蔵様もいますから、浮かれたお花見気分から一転して敬虔な気分になります。
気持ちがリセットされたところで、また散策しながら駐車場まで帰ります。
公園内、養老孝子坂の沿道には、軽食を販売しているお店がありますので、小腹が空いたなら、そこで食事をすることも可能です。
散歩をしながらお花見を楽しむことができますので、宴会がしづらい今の時代にぴったりのお花見スポットですね。
なお、例年、桜の時期に「花の緑のまつり」が開催されており、日本百名水「菊水泉の若水取り」や「夜桜のライトアップ」など様々なイベントが行われていますが、今年の開催状況については情報がありませんでした。
養老公園 花と緑のまつりの開催状況については未定です。
養老公園のHPには記載がありませんでした。
例年の見ごろは3月下旬から4月上旬です。
2022年は4月3日頃満開を迎えました。
養老公園への行き方
公共交通機関を利用される場合、養老鉄道の養老駅で下車してください。
名古屋から行く場合、下記のような乗り換えルートとなります。1時間10分ほどかかります。
ルート①
近鉄名古屋(近鉄名古屋線急行に乗車)→桑名(養老鉄道養老線・大垣行乗り換え)→養老
ルート②
JR名古屋(東海道本線新快速・大垣行に乗車)→大垣(養老鉄道養老線・桑名行乗り換え)→養老
養老駅から徒歩10分程度で養老公園に着きます。
駐車場がありますので、車で行っても大丈夫です。
ナビに、養老公園の住所をセットして案内に従いましょう。
〒503-1267 岐阜県養老郡養老町高林1298-2
養老I.C.からは約10分、大垣I.C.からは約20分、関ヶ原I.C.からは約25分で養老公園に着きます。
駐車場の場所&料金は?
公園が管理している駐車場のみ無料となっております。
駐車場の場所については、こちらの駐車場マップでご確認ください。情報を文字でまとめますと、以下のようになります。
・養老の滝入口の駐車場:165台駐車可 無料
・第一駐車場:181台駐車可 無料
・第二駐車場:133台駐車可 無料
・第三駐車場:69台駐車可 無料
・こどもの国駐車場:138台駐車可 無料
・養老の滝駐車場(民間):80台駐車可 有料
都会とは違い、使える土地が広いので無料駐車場もたっぷりありますね。
いっぱいになってしまうことは、心配しなくてよいかも知れません。
筆者は桜が満開の土曜日に養老公園に行きましたが、養老公園に一番近い、「養老の滝入口の駐車場」に問題なく駐車することができました。
営業時間は?
営業時間は9:00~17:00ですが、施設により異なります。
最新情報につきましては、公式ホームページを必ずご確認ください。
休園日は月曜日となりますが、月曜日が祝日の場合、翌日が休園となります。
休園日につきましても、公式ホームページ内のイベントカレンダーに記載がありますので、ご確認ください。
鶴舞公園~宴会の定番スポットを敢えて散策してみると~
見どころは?
三つ目のおすすめは、鶴舞公園です。「つるまいこうえん」ではなく、「つるまこうえん」と読みます。
県外から来たひとなどは、意外と知らない人が多いですね。
鶴舞公園は名古屋人にとってはお花見の定番だと思います。
会社や学校の仲間同士で、宴会が開かれているのがお馴染みの光景でした。
「誰が場所とりをするか?」という話題も懐かしいです。
ただ近年は自粛要請の影響で、宴会を楽しむ人は減っています。
宴会ができないなら鶴舞公園には行かない?
それは、勿体ないと思います。
なぜなら、約750本のソメイヨシノが咲き誇り、「日本さくら名所百選」にも選ばれるほどの桜の名所だからです。
「鶴舞公園=宴会」のイメージが強いですが、お散歩しながら静かに花見を楽しむ価値のあるスポットなのです。
枝にぎっしりと桜が咲いていて、見上げると一面がピンク色です。
このような見事なシダレザクラも咲いています。圧巻ですね。
鶴舞駅の近くのエリアがもっとも桜の木が密集していて、ゴージャスに美しいですので、上を見上げる形で写真をとりますと、一面がピンク色の素晴らしい一枚が撮れます。
公園奥の竜ヶ池周辺の桜も、落ち着いた雰囲気で情緒を感じることができます。
桜の本数は少ないですが、逆に賑やかすぎず、「静寂の美」をファインダーに納めることができます。
鶴舞駅近くの桜林がメインだが、奥の竜ヶ池周辺の桜も要チェック!
公園内はわりと広いですので、ゆっくり散歩をしてみましょう。
竜ヶ池より更に奥に歩きますと、「八幡山古墳」があります。
歴史好きにはたまらないのではないでしょうか?
筆者は日本古代史が好きだったので、興奮しました。
しかし、史跡保護のため、立ち入り禁止。外側から眺めるだけです。
古墳の周辺にも桜が咲いていますので、古代の空気を感じながら歩いてお花見を楽しみましょう。
従来は宴会をしてしゃべり疲れ、飲み疲れて、ろくに桜を愛でないままに帰ってしまっていた鶴舞公園。
宴会ができないなら逆に、隅々まで歩き回って、ゆっくりと花を観賞し、桜の頃の鶴舞公園の新しい魅力を発見してみませんか?
なお、花まつりを予定しているようです。
なお、2021年は夜のライトアップは中止されました。
公園内の地図はこちらからご覧ください。
鶴舞公園も例年3月下旬~4月上旬に見ごろを迎えます。開花速報を待ちましょう。
2022年は3月30日頃、満開を迎えました。
鶴舞公園への行き方
公共交通機関を使用される場合、鶴舞駅で下車してください。
名古屋から出発する場合、下記のようなルートとなります。
JR名古屋(中央本線・多治見行)→鶴舞
地下鉄名古屋(東山線・藤が丘行)→伏見(鶴舞線・豊田市行に乗り換え)→鶴舞
JR中央本線を使う場合、乗車時間は7分です。
名古屋から近いのが便利ですね。
鶴舞駅で下車しましたら、4番出口から地上へ出ますと、すぐに鶴舞公園が見えます。
車で行かれる場合、「鶴舞公園」をナビにセットしましょう。
念のために住所を記載します。
〒466-0064 愛知県名古屋市昭和区鶴舞1
駐車場はあるの?
駐車場は公園内に二か所ありますが、どちらも有料です。
一つは名古屋市公会堂の近くにある市営の駐車場、もう一つは公園の南側にある民間の駐車場です。
こちらのページに簡易的な駐車場案内が載っています。
名古屋市公会堂の近くの駐車場は収容台数が大きいので、止められる可能性が高いです。
料金 | <普通自動車>30分毎180円 |
収容台数 | 普通車177台 大型車5台 |
営業時間 | 8:45~21:30 |
公園南側の駐車場は平日のみ最大料金が設定されています。
料金 | 20分100円 |
最大料金 | 8:00~22:00 平日最大1,000円 ※平日のみ 22:00~8:00 夜間最大300円 |
営業時間 | 24時間 ※深夜24時~朝4:30までは入庫できない |
営業時間は?
鶴舞公園は24時間開園しています。公園ですので入場無料です。
霞間ヶ渓~遠くから桜を楽しむ国の名勝~
最後は霞間ヶ渓です。「かまがたに」と読みます。
あまり有名な桜スポットではないと思いますが、日本さくら名所100選と、飛騨・美濃さくら33選に入っている名所です。
昭和3年に国の名勝と天然記念物にも指定されています。
春が訪れますと、渓谷添いに数種類の桜が咲き誇るのです。
桜が咲いた様を遠方から眺めると、霞がかかったかのように見えます。
これが霞間ヶ渓の名前の由来です。
普通、桜は間近で眺めて愛でるイメージが強いです。
しかし、霞間ヶ渓ではあえて離れたところから、遠景を楽しむところに醍醐味があるのです。
決して華やかな光景ではありません。日本人独特の「わび・さび」を感じる風景です。
閑寂な山の中にも奥深い春の美しさを感じることができます。
霞間ヶ渓には下記のような深い歴史があります。
この地域はもともと桜の名所として名高く、ヤマザクラ、シダレザクラ、エドヒガンなどが自生していました。江戸時代に大垣藩がソメイヨシノなどを植樹し、明治になってからも植樹は続いたそうです。
そして、現在では渓谷一体に1500本から2000本の桜が見られるようになりました。
この地域に住んでいた人たちが昔から桜を愛して、後世の人たちのために一生懸命に植樹を行ってきたことを思うと、胸が熱くなります。
江戸時代、明治時代の霞間ヶ渓に思いを馳せながら、散策をしました。
山から離れて256号線を川添いに歩いていくのがおススメです。川沿いの堤防には、護岸のために植えられた桜が桜並木となって続いています。
しばらく歩いて、振り返ると上記の画像のように、渓谷全体に桜が霞のようにかかっている光景を目にします。
ここが一番の撮影スポットだと思います。
意外と多くの人が山の麓でお花見を楽しんでいて、逆に山から離れていく人は少ないです。
でも、霞間ヶ渓では遠方から眺めるところに美しさの本質がありますので、あえて山を背に歩いてみましょう。
必ず霞間ヶ渓の山を遠方からも見て楽しもう!
もちろん、桜は近くで見ても美しいです。
最も賑わっている山の麓の「池田ふれあい街道」には、「霞渓寺」というお寺があり、道を挟んで鐘つき堂があります。
子ども連れならば、ここで鐘をつかせてあげますと、楽しいと思います。
あまりいませんが、大人でも鐘をついて大丈夫です。(筆者は勇気を出して鐘をつきました!)
霞間ヶ渓をおすすめするのは、ありきたりなお花見に飽きてしまった大人の方です。
桜を近くからではなく、遠くから楽しむという境地を経験してみませんか?
なお、第72回池田サクラまつりが開催予定です。
ステージやイベントや売店などは出ませんが、お祭り気分は味わうことができるかも知れません。
例年のみごろは3月中旬~4月上旬です。
2022年は4月3日頃満開を迎えました。
霞間ヶ渓への行き方は?
公共交通機関を使用する場合、下記のようなルートとなります。
1時間ほどかかります。
・JR名古屋(東海道本線新快速・大垣行き)→大垣(養老鉄道養老線・揖斐行き乗り換え)→池野
池野駅で下車した後は西へ40分ほど歩きます。マップを参考にしてください。
もしくは池野駅で降りずに、1駅先の「北池野駅」で下車していただき、コミュニティバス南回り線に乗車、「総合体育館前」で下車しますと約5分で霞間ヶ渓に着きます。
コミュニティバスはどなたでも無料です。時刻表はこちらからPDFを見ることができます。
車で行かれる場合は、霞間ヶ渓もしくは下記の住所をナビにセットして、案内に従いましょう。
〒503-2429 岐阜県揖斐郡池田町藤代503−242
駐車場は?
100台駐車可能の駐車場があります。無料です。
こちらのページの一番下に駐車場案内のPDFが貼付されていますのでご参照ください。
Google地図上で言うと、霞間渓公園バスPという地点が駐車場です。
筆者が訪れた際は、駐車場はいっぱいで、多くの人が霞間ヶ渓の前の池田ふれあい街道の路肩に駐車していました。
駐車場がわかりづらいので、どこに車を停めていいかわからず、困っている人も多かったと思います。
事前にしっかり調べてから行くことをお勧めします。
営業時間は?
渓谷ですから、24時間解放されています。入場無料です。
まとめ
以上、東海地方のおすすめお花見スポット4選をご紹介いたしました。
特徴を簡潔にまとめると、このようになります。
・養老公園の桜は豪華で美しく、滝までの散策が楽しい。
・鶴舞公園の桜は定番の綺麗さ。散策して新しい魅力を発見しよう。
・霞間ヶ渓の桜は遠景のほうが美しい不思議な名所。
地域で分けますと、岩倉五条川と鶴舞公園は名古屋から近いので、名古屋在住のかたなら、時間がなくても気軽に見に行けますね。
養老公園と霞間ヶ渓は名古屋からだと遠いですので、時間がたっぷりある休日に行ってみてください。
今年も読者のみなさまが良いお花見ができますように。